2022.11.14
気候変動対策、日本は50位 「最低評価グループ」独NGO分析

独NGO「ジャーマンウオッチ」などは14日、気候変動対策を評価した国・地域別ランキングに関する報告書を公表した。60カ国・地域を対象にした分析の結果、日本は50位(1~3位は該当なし)で、5段階評価で最低のグループ(50~63位)だった。
エジプト・シャルムエルシェイクで開催中の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で発表した。
毎年同条約の会議に合わせて公表しており、今年は気候変動やエネルギー問題などの専門家約450人の協力を得て、各国・地域の政策を分析。2030年までの温室効果ガス排出削減目標や再生可能エネルギー導入目標など14の指標で比較し、順位付けした。対象国の総排出量は世界全体の9割以上を占めるという。
ランキングによると、「産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える」という目標実現に向けて十分な対策を取っている国はないとして、21年同様1~3位は「該当なし」とした。最高の4位はデンマークで「30年までに1990年比70%減」という目標を掲げるなど、多くの指標で高い評価を得た。
日本は21年のランキング(61カ国・地域対象)の45位から順位を落とした。「30年度までに13年度比46%減」などの削減目標は前向きな評価を受けたが、実現に向けた具体策に欠けることが問題視された。
世界最大の排出国・中国は21年の38位から51位へと、大幅ランクダウンとなった。再生可能エネルギーを拡大していることは評価されたが、天然ガスや石炭の生産量を増やす計画などが「1・5度」目標に合致していないとされた。【シャルムエルシェイク岡田英】
気候変動対策の国・地域別ランキング
1~3 該当なし
4(4)デンマーク
5(5)スウェーデン
6(9)チリ
7(8)モロッコ
8(10)インド
9(32)エストニア
10(6)ノルウェー
――――
50(45)日本
51(38)中国
52(55)米国
53(53)ハンガリー
54(52)ポーランド
55(59)オーストラリア
56(57)マレーシア
57(58)台湾
58(61)カナダ
59(56)ロシア
60(60)韓国
61(64)カザフスタン
62(63)サウジアラビア
63(62)イラン
※独NGOジャーマンウオッチなどの報告書による。カッコ内は2021年の順位
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