ソーシャルアクションラボ

2022.11.22

手に取るように分かる?ポイ捨て心理 内視鏡付きトング開発

 奈良先端科学技術大学院大の松田裕貴(ゆうき)助教(29)らが、内視鏡付きのごみ挟み(トング)を開発した。画像を基に、その場に捨てられることが多いごみの種類を分析。インターネット上でデータを蓄積し、ごみ箱やポイ捨て看板の効果的な設置につなげるのが狙いだ。【村瀬達男】

 松田助教は多様な機器を通信でつなぐIoT(モノのインターネット)の研究・活用が専門。トングは大学院博士後期課程1年の立花巧樹さん(25)のアイデアを基に開発した。

 トングは長さ約60センチで、柄の部分に内視鏡カメラを固定。トングを持つ人の腕に装着したスマートフォンと内視鏡をケーブルで結び、拾ったごみの画像を送信する。効率的にごみの種類を分析するためのスマホ用ソフトも開発。缶▽ペットボトル▽たばこの吸い殻▽プラスチック容器▽紙――の5種類に自動で分類し、位置と時刻も記録できるようにした。

 集まったデータから、どの場所にどんなごみが多く捨てられるか、傾向を把握することができる。この結果を基に、ごみ箱の設置や、たばこのポイ捨て禁止を呼び掛ける看板の設置を行政へ働き掛けることも可能だ。

 先端大はJT日本たばこ産業とネーミングライツを結んでおり、地域課題を視点を変えて考えるJTのプロジェクト名から「Rethink(リシンク)トング」と命名した。

 既に県内外でトングを使ってデータの集積を始めている。現状で5~6割の分類精度をさらに高めていく考えで、松田助教は「既に捨てられたごみを拾うのではなく、将来はごみを捨てづらい環境を作りたい」と訴えている。

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