ソーシャルアクションラボ

2022.11.28

車椅子利用者の旅行ツアー募集 サービス介助士の大学生ら考案

 車椅子の利用者にも健常者と同じように旅行を楽しんでもらおうと、九州国際大(北九州市八幡東区)の学生たちが1泊2日の「ジョイ・トリップ」を企画している。日ごろ車椅子が欠かせない人は見知らぬ土地での移動に不安を感じ、旅行をためらうことが多いが、学生らはコースを丹念に下見。「サービス介助士」の資格を持つ学生が付き添う市内散策やグランピングのプランを提案している。

 現代ビジネス学部の福島規子教授(観光学)のゼミで学ぶ3年生4人が発案した。学生らは車椅子を使っている学生にも協力してもらって、行った先にエレベーターやスロープがあるか、食事やトイレで不自由しないかなどを確認。車椅子の視点から撮影したバーチャルリアリティー(VR)動画を活用してコースを紹介している。

 用意したのは同市小倉北区の市街地散策や門司港(同市門司区)のレトロ地区巡りなど6コース。ツアー参加希望者はVR動画を見たり、自身が介助をどれほど必要とするか学生らに説明したりしながら、2コースの組み合わせを選ぶ。添乗する学生は民間資格「サービス介助士」の認定を受けており、移動や飲食、ショッピングなどの場面で参加者を手助けできる。

 ツアー中の移動には、かつてのゼミ生が開発した昇降式の電動車椅子「ペガサス」や、車椅子にU字形のバーを取り付けて介助者が人力車のように引くことができる補助器具「JINRIKI」を用いる。ペガサスは座面が80センチ上昇するため、座ったまま身長177センチ程度の人と同じ目線で移動できるのが特徴で、天板が高いカウンターテーブルなどでの飲食もできる。

 ツアーは初日に最初の1コースを楽しんだ後は、福岡県福津市のグランピング場へ。そこではツアー参加者だけでソーセージ作りなどを体験し、ステーキディナーを楽しんでコテージで宿泊する。翌朝、迎えに来た学生と二つ目のコースを巡って締めくくる旅程になっている。

 ゼミ生の久保なつきさん(21)は「ペガサスを利用して、参加者が普段と違った景色を見たり体験できたりするコースをピックアップした」。ベトナム人留学生のグエン・チャン・クアン・ヒエウさん(23)は「小倉の散策では、車椅子利用者が普段使えないハイテーブルでカフェを楽しんでほしい」と話す。

 ツアーは2023年の①2月17~18日②同24~25日③3月3~4日――の3回を予定しており、それぞれ2人1組の参加者を募る。対象は車椅子ユーザーと健常者のペアか、車椅子ユーザー2人のペアで、居住地や性別、年齢は問わない。料金は宿泊料や移動費を含めて1人2万8500円。申し込みの締め切りは①が23年1月16日②が同23日③が同30日――となっている。

 ゼミ生の香下尚之さん(20)は「北九州の魅力を知ってもらい、もう一度訪れたくなるような旅を届けたい」と意気込む。ゼミ長の伊藤愛華さん(21)は「健常者と同じような旅を提供し、車椅子利用者がよりアクティブになるきっかけになれば」と話している。

 ツアーの詳細や申し込みは「ジョイ・トリップ申し込みフォーム」より。【宮城裕也】

関連記事