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2022.11.29

ハワイでは高級魚なのに日本は敬遠…高校生が活用レシピ考案

 温暖化による海水温の上昇で、秋田県沖で本来は温暖な海域に生息するシイラの漁獲量が激増している。ハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれ高級魚として重宝されるが、国内では臭みなどを理由に敬遠され市場に流通しにくい「未利用魚」。秋田県立男鹿海洋高の生徒が、おいしく食べて活用しようとレシピを考案した。【猪森万里夏】

 シイラは熱帯や亜熱帯、温帯の海で広く生息する回遊魚で、最大2メートルにもなるといわれる。秋田県の漁獲量は近年どんどん増えており、2017年に0・4トンだったのが、20年には27・8トンに急増した。ところが身が薄く淡泊なのに加え、鮮度管理が難しく臭みが出やすいのが難点で、国内では廃棄されたり、安価で取引されたりする。

 飲食チェーンを展開する地元企業などと連携し、食を通じてビジネスのノウハウを学ぶ男鹿海洋高の3年生は、漁業者や県水産振興センターなどへの聞き取りからシイラに注目。酒で臭みを取ったり、スパイスやソースで味付けしたりして、多くの人の味覚に合うようなレシピを考えた。

 今月中旬には、男鹿市の道の駅「オガーレ」のレストランで実際に料理を提供した。準備したのは「イカカレー(マヒボールを添えて)」「マヒチリ丼」「マヒかつ丼」の3種類。すり身をハンバーグ状にしたり衣をつけて揚げたりして工夫をこらした。当日は2年生ら15人がエプロン姿で、盛り付けや接客を担当した。

 出張で訪れた仙台市の会社員、加藤祐史さん(49)は「くせがなく食べやすい」と笑顔。調理場で盛り付けをした佐々木瑛人さん(2年)は「なじみのない魚だったが、適した調理法で食べるとおいしいことがわかった。ぜひ食べてほしい」と手応えをつかんでいた。

 秋田県沖ではシイラの他にも温暖な海域に生息する魚がとれている。気象庁によると、20年までの過去30年間で日本周辺の海水温は平均1・19度上昇しているが、北海道南部から新潟県北部付近までを含む日本海中部の海域では1・80度と最も上昇幅が大きかった。秋田県水産振興センターの担当者は「水温の変化によるとみられる魚種の変化が県沖では特に大きい」と話す。

 10月上旬、高級魚「アマダイ」の漁では、関西や九州地方でかまぼこの材料となる「エソ」が10匹以上とれた。白身で味が良く50センチ程度と大きいが、そのまま食べるには小骨が多く、近隣に加工場がないため廃棄せざるをえないという。今後も未利用魚の活用が課題になりそうだ。【猪森万里夏】

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