ソーシャルアクションラボ

2022.11.30

原告ら「大きな一歩」「声受け止めた」 同性婚訴訟「違憲状態」判断

「パートナーと家族になるための法制度がないことは、個人の尊厳に照らして合理的な理由があるとはいえない」――。同性婚を認めていない現行制度の違憲性が争われた訴訟で、東京地裁は30日、「違憲状態」と判断した。婚姻の平等や自由を求めてきた原告らは違憲判決を得られなかったものの、「勇気を持って上げた声を受け止めてもらえた」と評価した。

30日午後2時45分ごろ、東京地裁前。判決を受け、原告側の寺原真希子弁護士が「婚姻の平等へ前進した」と報告すると、100人超の支援者たちから拍手が湧き起こった。その中には、原告で沖縄県宮古島市から駆けつけた広橋正さん(53)の姿もあった。「パートナーが異性でも同性でも家族として同じように価値があることを裁判所が認めてくれた」

広橋さんは2021年12月、大手広告会社を早期退職し、22年1月にパートナー・かつさん(37)と同市に移住した。宿泊施設のオープンを目指し、購入した中古住宅のリフォームを2人で進めている。

自身の性的指向を意識したのは小学生の頃。同級生とのプロレスごっこでドキドキする感覚があった。「自分はおかしいのではないか」。中学生になって辞書をめくると、「同性愛は病気」と記載があった。「自分は出来損ない。生まれてこなければよかった」。友達にはもちろん両親にも打ち明けられず、思い悩む日々を過ごした。あえて異性と交際したこともあった。

美術大学を卒業後、大手広告会社に入社。NPO法人が15年に始めた性的指向を公表する企画に自らもアートディレクターとして関わった「OUT IN JAPAN」で、カミングアウトした。「会社内で評価されなくなるのではないか」との心配は杞憂(きゆう)で、上司や同僚の態度は何も変わらなかった。

原告になることに当初から乗り気だったわけではない。それでも、人目を気にせず好きなパートナーと手をつなぎ、みんなから祝福されて結婚式を挙げられる未来を描き、「若い人たちに勇気を与えたい」と訴訟に加わった。

広橋さんは判決後、東京都内で開かれた記者会見で「すごく大きな一歩」と述べ、今後も続く同種訴訟の判決を視野に「これから先、各地の裁判所でどんな判決が出ようと、諦めずに前を向いて進んでいきたい」と力を込めた。【遠藤浩二、遠山和宏】

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