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2022.12.20

EU、国境炭素税を導入 23年10月から、鉄鋼やセメントなど対象

 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は19日、環境規制の緩い国からの輸入品に事実上の関税をかける「国境炭素調整措置(国境炭素税)」を2023年10月に導入すると発表した。EUの厳しい環境規制がかかる域内産業の競争力を維持する狙いがあり、日本企業も対応を迫られそうだ。

 欧州委員会によると、当面の対象は鉄鋼、セメント、肥料、アルミニウム、電力、水素など。23年10月からEUに輸出する企業は製造過程での二酸化炭素排出量を欧州委員会に報告する義務を負う。その後、段階的に導入を進め、事実上の関税措置につなげていく方針だ。

 EUは域内で厳しい環境規制を適用しており、域内企業の製品は、規制が緩い国からの割安な輸入製品との競争で不利になっている。国境炭素税は域外の競合企業に事実上、同程度の規制をかけることで、域内産業の競争力を維持し、環境規制の緩い国に生産拠点を移すのを防ぐ狙いがある。

 EUは30年の温室効果ガスの排出量を1990年比で55%減らす目標を設定しており、国境炭素税もその一環。ただ、自国企業の輸出に影響を受ける国からは、自由な貿易を制限する「保護主義」との批判が出ており、世界貿易機関(WTO)の規則に違反する可能性も指摘されている。【ブリュッセル宮川裕章】

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