ソーシャルアクションラボ

2022.12.23

ドカ雪で空港は「陸の孤島」 毎年大雪の北海道でも混乱 必要な備え

 大雪はどんな被害をもたらすのか――。2022年2月に記録的大雪に見舞われた北海道での「悲劇」を振り返り、この冬に備えたい。【谷口拓未】

交通網は大混乱、雪かき用具は品薄に

 短時間に大雪が降る複数回の「ドカ雪」に見舞われた札幌市近郊。197万人が暮らす道都は混乱を極めた。

 市による除排雪作業が追いつかなくなり、道幅が狭くなったり、通行不能になったりする道路が増え、渋滞が慢性化。自家用車はおろか、路線バスの運休や大幅なダイヤの乱れが相次いだ。

 市民も利用できる雪捨て場は早々に許容量に達し、その多くが閉鎖された。住宅街を通る生活道路の脇には雪がうずたかく積み上がった。

 JRや路線バスが不通となった日。職務に追われていたある警察官は、自宅から1時間以上雪をかき分けて地下鉄駅まで歩き、出勤したという。

 道内のホームセンターでは除雪用のスコップシャベルが品薄状態に。札幌市のホームセンターでは雪かき用シャベルの在庫を尋ねる客の姿が多く見られた。店員は「売り切れ。いつ入荷するのかも分からない」と頭を抱えた。

 この状況が教訓となったのか、この冬は在庫を増やしたホームセンターも。11月ごろから、早々に除雪用品を買い求める客の動きも見られた。一方で、手押し式の除雪機は昨シーズン同様に入手困難となっている。

大規模運休に怒声

 2月21日、JR北海道は札幌駅を発着する全ての列車を運休とした。駅構内や分岐器といった設備周辺の除雪は機械ではなく、作業員の手作業が中心となる事情もあり、除雪が難航。大規模な運休が数日続いた。

 特に影響が大きかったのが、札幌―新千歳空港間だ。バスなどの移動手段もあるが、運休が深夜に及ぶと空港は「陸の孤島」と化した。

 22、23日と600人以上が空港で夜を明かす事態となり、運転が再開したのは24日午前3時。乗客からはJR北海道の社長を名指しした怒号が飛んだ。

 新千歳空港発着でも22日に全便が欠航。JR以外の移動手段もダイヤが乱れ、利用客の疲労や不満はピークに達した。

除雪中の事故も

 屋根の雪下ろしなどで命を落とす人も相次いだ。

 札幌近郊の岩見沢市では大雪に見舞われた2月21日、車庫の雪下ろしをしていた高齢の男性が落雪に巻き込まれて死亡した。

 北海道警のまとめでは昨シーズン(21年11月~22年3月)に除雪中の事故に見舞われたのは125人。24人が命を落とし、87人が負傷した。

 今シーズンも既に除雪中の事故が報告されている。道警は、軒下で作業をしない▽屋根に上る際は命綱を装着する――ことなど注意を促す。

 また、雪に埋まってしまっても早期発見されれば命が助かる可能性があり、1人で作業しない▽やむを得ず1人で作業する場合は家族や近隣住民に事前に知らせる▽携帯電話を所持する――などの対策を呼び掛けている。

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