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2022.12.27

「差別問題ないがしろに」杉田水脈氏巡る首相の対応に関係者失望

 自民党の杉田水脈(みお)総務政務官(55)は27日、政務官の辞表を松本剛明総務相に提出した。差別的な言動が激しい批判を浴びて事実上、更迭される形となった。性的少数者の支援者らは「交代が遅すぎた」とし、問題発言を繰り返す杉田氏を抜てきした岸田文雄首相に対し「差別問題や人権をないがしろにしている」と失望感をあらわにした。【宇多川はるか、菅野蘭】

 杉田氏は2014年10月の衆院本会議で「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想」と発言。20年9月の自民党内の会議でも、内閣府が性暴力被害者への「ワンストップ支援センター」の増設方針を示した際に「女性はいくらでもウソをつけますから」と述べるなど、男女共同参画に逆行する発言を繰り返してきた。

 女性の権利を国際基準にする活動に取り組むNGOネットワーク「女性差別撤廃条約実現アクション」の亀永能布子事務局長は、「そもそも杉田氏を政務官に任命したことが問題です」と話す。団体は杉田氏が政務官に起用された22年8月、「岸田政権がジェンダー平等政策に背を向け、差別・人権侵害を容認する政権であると内外に宣言したに等しい」として任命撤回を求める抗議文を岸田首相に提出していた。

 亀永事務局長は「杉田氏の発言を政権が差別として認めなければ何の解決にもならない。国際的な人権尊重の流れに背を向けている」と批判する。

 性的少数者に関する情報を発信する一般社団法人「fair」代表理事の松岡宗嗣さんも「本来ならば議員辞職レベルの差別発言をしてきたのに、杉田氏は出世した。政治家の発言は厳しく問われるべきなのに、岸田政権は『こういう発言をしてもよい』とお墨付きを与えてしまった」と指摘する。

 杉田氏に対し、発言への謝罪や更迭を求める声が上がり続ける中、岸田首相は「説明責任を果たしてもらう」とし、かばい続けた。松岡さんは「政権が差別問題や人権をないがしろにしてきたことを表していると思う。今回の交代は差別発言を問題視しての対応ではなく、政権運営のために通常国会前に更迭したとしか捉えられない状況だ」と話した。

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