ソーシャルアクションラボ

2022.12.30

給食の残し、「社会に役立つもの」に変身 食品ロス減らす知恵

 奈良県天理市は、学校給食の残飯から堆肥(たいひ)の原料を作れる「食物残渣(ざんさ)発酵分解装置」を市立小学校に設置している。櫟本小学校では肥料になる仕組みを学ぶ出前授業があり、参加した児童らは「給食の食べ残しを再利用できるなんて知らなかった」と驚いていた。【広瀬晃子】

 食品ロスを減らす取り組みの一つとして、給食を提供している9小学校への設置を市が決定。1台約370万円で、10月から各学校に順次置いている。

 給食の食べ残しや調理時に出る野菜の皮といった生ごみを装置に入れると、菌の力で発酵・分解され、約10分の1の重さになる。それを装置の製造メーカーが1キロ1円で買い取り、別施設で更に処理すると、堆肥が出来上がるという。堆肥はメーカーが農家などに販売するが、一部は学校にも提供される予定だ。

 10月17日に装置が設置された櫟本小では、1日に3~5キログラムの生ごみを装置に投入している。出前授業は12月12日にあり、5年生約50人が参加。メーカーの社員から、給食の残飯に微生物を入れると堆肥ができ、その堆肥で食材となる野菜が再びできるという「循環型農業」について学んだ。また、生ごみを発酵させる菌を顕微鏡を使って観察した。

 授業を受けた斎藤蓮さん(11)は「(菌は)卵が腐ったような臭いだった。いろんな菌があることが分かった」。山口ひなたさん(11)は「給食が社会の役に立つのはうれしい」と話した。

 市は今後、市内の家庭から出る生ごみも回収し、各校の装置を使って堆肥にするなど、取り組みを拡大する計画という。

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