ソーシャルアクションラボ

2022.12.31

アロマ・アセク当事者調査から見えてきたもの 要注意フレーズは?

 「恋愛しないのは病気」「あなたは人間に興味ないもんね」――。相手に恋愛感情を抱かない「アロマンティック(アロマ)」や、性的な関心を持たない「アセクシュアル(アセク)」の恋愛・性的指向を持つ人を対象にした調査の結果が公開された。アロマ・アセクの人たちの回答からは、周囲の無理解な言葉が当事者を傷つけている実態が浮かび上がった。

 調査を行ったのは、アロマ・アセクについて正しい情報の発信を目指す団体「As Loop」。近年、LGBTQ(性的少数者)への理解が広まりつつあるが、アロマ・アセクはまだ広く知られておらず、研究者や当事者が2018年に前身団体を立ち上げた。当事者への調査も国内では極めて少なく、20年からインターネット上でアンケート調査を行っている。

 22年の調査は6月にネット上で行い、12月に結果を公表。自認している性的指向や、恋人が欲しいか、性欲があるかなど約100問を尋ね、アロマ・アセクとそれに近い指向の人たちから約2300件の回答を得た。

 調査結果によると、「付き合いたいと思うことがあるか」という問いに、アロマは計90%が「ない・あまりない」と回答。「自分に性欲があると思うか」については、アセクは計69%の人が「思う・やや思う」とした一方、「他の人と性行為をしようと思うことがあるか」には計92%が「ない・あまりない」と答えた。アセクの場合、他人に欲求が向かなくても性欲はある人が多くいることが分かった。

 また「恋愛関係かつ性的関係のあるパートナー等を望むか」という問いには71%が「望まない」と回答。一方で「恋愛関係も性的関係もないパートナー等を望むか」という質問には「1人望む」が43%、「複数人望む」が8%、「グループを望む」が15%など、求めるパートナーの形は多様なことがわかった。

 「アロマ・アセクであることで経験したこと」では、周囲の人から「まだいい人に出会っていないだけ」「あなたは人間に興味ないもんね」などの言葉をかけられたとする回答があった。また、「精神科で治療がんばってね」などと病気扱いされたという人もいた。

 「As Loop」では、恋愛に消極的な「草食系」などの言葉を「要注意フレーズ」だとして気をつけるよう求めている。「恋愛や性で他人に引かれない人もいる。恋愛の話は人類共通の話題ではないと知ってほしい」と訴えている。

 調査結果は「As Loop」のサイト(https://asloop.jimdofree.com/)で公開している。【千金良航太郎】

関連記事