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2023.01.25

川崎市、コンビナートを脱炭素化へ 世界の工業都市と情報共有

 川崎市が、臨海部にあるコンビナートの脱炭素化を目指す取り組みを進めている。20日には、産業集積地の脱炭素化に向けて各国と情報共有する世界的なプロジェクトに、日本の自治体として初めて参加することを発表。市は「世界にある先進的な知見やアイデアを参考にしていきたい」としている。

 プロジェクトは、スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」が主催する分科会「産業クラスターのネットゼロ移行イニシアティブ」。世界の産業集積地8カ所が参加し、脱炭素に向けた情報共有を進めている。今回新たに川崎市を含む9カ所が加わった。

 市臨海部の石油化学コンビナートは現在、エネルギーや製品素材などを生産し、首都圏を中心に広域に供給している。ただ二酸化炭素排出量が多いことが懸念されており、市は将来的な発展のため、脱炭素化を意識したコンビナートの変革を検討している。

 市は22年3月に「川崎カーボンニュートラルコンビナート構想」を策定。50年を目標に、水素エネルギーの活用のほか、廃プラスチックや排出した二酸化炭素に含まれる炭素の再資源化などを進め、国の脱炭素化をけん引していくとしている。この構想が評価され、プロジェクトへの参加が決まったという。

 プロジェクトには、賛同した市内の企業14社も協力する。市は今後、対面やウェブでの会議に参加する。市の担当者は「前例のない取り組みとなる。川崎市の構想も世界に発信したい」と話した。【池田直】

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