ソーシャルアクションラボ

2023.01.30

「普通を疑って」 熊本のカップル、多様性への理解求め講演

 性的少数者への理解を深めようと、同性愛者を公表している熊本市在住の会社員、こうぞうさん(40)とゆうたさん(39)=ともにフルネームは非公表=の男性カップルが30日、熊本市内で「知ってほしい性の多様性~誰もが、自分らしく~」(市主催)と題して講演した。

 こうぞうさんは2000年ごろから同性愛者であることを公表し、学校などで性的少数者に関する講演を続けている。同性婚を認めないのは憲法違反だとして、福岡市の同性カップルとともに国に損害賠償を求め、福岡地裁で係争中だ。

 こうぞうさんは17歳の時に恋愛感情を抱いた男性に思いを伝えたところ、男性から「俺がたまたま女性を好きなだけ。話ならいつでも聞く」と告げられた。恋は成就しなかったが、「僕という存在を否定せずに認めてもらい、悪いことはしていないと思えるようになった」と語った。

 一方、ゆうたさんは多様性を受け入れるための心構えとして「普通を疑うこと」などを挙げ、「理解したふりをするのではなく、偏見の根拠になっているものが何か、一度立ち止まって考えてほしい」と呼び掛けた。講演は市民ら約50人が聴講した。【中村園子】

関連記事