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2023.02.18

太陽光発電計画「災害対策が不十分」 県の慎重な審査、地元要望

 三重県四日市市南部の四郷(よごう)地区の林に計画されている太陽光発電施設建設について、地元の自治会が16日、「災害対策が不十分で、地域の防災能力を低下させる恐れがある」として、県に開発許可審査を慎重に行うよう求める要望書を提出した。

 計画予定地は、自然環境や景観を守るために四日市市が指定する「風致地区」内に位置する。事業者は1月13日付で太陽光発電施設設置に伴う林地開発許可を県に申請。計画では、風致地区の民有林約8・9ヘクタールを切り開いて約3700枚の太陽光発電パネルを設置するとしている。一部は土砂災害特別警戒区域を含む。

 市内で風致地区に指定されているのは四郷地区にあるこの1カ所のみ。1974年に起きた大雨災害で被害を受け、治水目的で山林保全の重要性が見直されたことが指定のきっかけだった。

 要望した四郷連合自治会の杉本芳規会長は16日に記者会見を開き、「土地の開発が進み、風致地区指定の目的が失われることを危惧している。樹木伐採による土砂流出や雨水の排水対策も(建設計画に)不十分で、県は慎重に対応してほしい」と述べた。【朝比奈由佳】

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