ソーシャルアクションラボ

2020.06.11

複合災害の備え、国民に呼びかけ 土木学会など防災学術連携体

 土木学会や日本建築学会など防災に関わる58学会でつくる「防災学術連携体」は5月1日、新型コロナウイルスの感染が全国に拡大する中で自然災害が発生すれば感染爆発が起きる可能性が高くなるとして、感染症と自然災害の複合災害に備えることを求める緊急メッセージを発表した。2018年の西日本豪雨や昨年の台風19号など、近年は夏から秋にかけ水害や土砂災害に相次いで見舞われていることを踏まえ、「現実に複合災害発生の危機が差し迫っている。被害軽減のため、できることから備えを始めて」と呼びかけた。

 メッセージでは、感染リスクを考慮した避難として、避難所の数を増やす▽消毒液などの備品整備▽感染の疑いがある人がいる場合は隔離――など公的避難所のウイルス対策を、自治体関係者に求めた。市民には、多くの人が集まる公的避難所では感染リスクがあるとして、知人宅への避難や自宅にとどまることなどを検討するよう促した。

 また梅雨明け後には、熱中症で基礎体力が衰えるとウイルス感染の重症化リスクも高まるとして、扇風機や空調機器を早い時期から準備しておくことなどを提唱している。【三股智子】

*2020年5月2日付、毎日新聞朝刊に掲載された記事です。