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2023.03.13

名古屋入管職員、性的少数者の収容者に差別発言 立憲議員が抗議

 名古屋出入国在留管理局(名古屋市港区)に収容中の20代のゲイであるブラジル人男性に、入管職員が「あなたには心に問題がある。他の人に何か起こるといけない」と発言したとして、立憲民主党の石川大我参院議員が入管側に抗議していたことが判明した。

 石川氏は自身もゲイであることを公表している。石川氏は取材に「『心に問題がある』という発言は性的少数者(LGBTQなど)に対する基本的認識に欠け、『他の人に何か起こるといけない』というのはゲイであることについて『他の男性に何か性的な行動を起こすのではないか』という差別的な先入観があったと言わざるを得ない」と指摘。今後、参院法務委員会でこの件について斎藤健法相に質問する意向を明らかにした。

 石川氏によると、2月27日に収容男性に面会した「名古屋入管の人権侵害をなくす市民の会」代表の真野明美さん(69)から相談があり、3月10日、男性と面会した。その後、名古屋入管の山崎浩一次長と会談して抗議。発言の経緯や事実確認を求めるとともに職員の人権研修の必要性を訴え、「性的少数者であることを理由に不当な差別的扱いをしないように」と申し入れたという。

 石川氏や真野さんによると、男性は2022年10月に収容。職員の発言後、「自分はケダモノではない。自分はパートナーや恋人を探しにここに来たわけではない」と訴え、職員は直後に謝罪したという。名古屋入管の山崎次長は石川氏の抗議に「(発言)内容については承知していない。確認したい」と答えたという。

 名古屋入管は取材に「現在確認中でそれ以上回答できない」としている。【川瀬慎一朗】

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