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2023.03.17

名古屋入管の性的少数者への差別発言 入管庁「確認できず」

 名古屋出入国在留管理局(名古屋市港区)に収容中の20代のゲイであるブラジル人男性に名古屋入管職員が差別発言をしたとして、立憲民主党の石川大我参院議員が抗議していた問題で、入管庁の西山卓爾次長は17日の参院法務委員会で「いわゆる性的マイノリティーであること自体が問題であるという趣旨の発言を行ったという事実は確認されなかった」と答弁した。

 石川氏は10日、収容男性と面会。男性が職員から「あなたには心に問題がある。他の人に何か起こるといけない」と言われたと訴えたため、石川氏は入管庁に抗議するとともに調査を求めていた。

 同委員会で発言についてただした石川氏に対し、西山次長は「発言を行った可能性のある職員複数名からの聞き取りや関連書類の確認を行った結果、確認されませんでした」と答弁。調査方法については「詳細は差し控えさせていただく」とした。

 石川氏は「全く納得できない。男性は日本語が上手で、男性が発言に抗議すると職員がその場で謝罪したとの証言もあるのに『(発言は)無かった』と言うのか。再調査すべきだ」と訴えた。

 この日、収容男性と面会し、委員会の様子を伝えた「名古屋入管の人権侵害をなくす市民の会」代表の真野明美さんによると、男性は「私にはこの間、何も聞き取りは無かった。作り話だと疑われているんですね」と泣きながら語ったという。【川瀬慎一朗】

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