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2023.04.21

盛り土崩落7カ月、いまだに第三者委の報告書まとまらず 浜松・天竜

 昨年9月の台風15号の大雨で発生した浜松市天竜区緑恵台の盛り土崩落について、行政対応を検証する第三者委員会の報告書は、いまだまとまっていない。市によると、19日の第5回会合で、委員から「情報共有の体制づくりが必要だ」との指摘があった。発生から間もなく7カ月。第三者委は具体的な論点を明示せず、非公開で会合を重ねている。

 天竜区の盛り土の崩落では3棟が巻き込まれ、3人がけがをした。建築廃材や土砂の搬入について、市は地元住民から通報を受けていたが、結果的に崩落を防げなかった。

 第三者委の会合は、冒頭のあいさつ以外、「個人情報を扱う」との理由で非公開。会合の終了後、座長の村越啓悦弁護士など委員が中身を報道陣に説明したことはなく、対応を検証される側の市の担当課長が毎回、質疑に対応している。

 浜田輝秀・市都市整備部次長は「現時点においては、議論をしている段階。生の情報を基に(論点を)43項目に分類した。(43項目を)お見せできる状況になっていない」と説明する。

 第三者委の委員がこれまで、被災者から話を直接聞く機会はなかった。加藤貞仁・市道路保全課長は「用意した資料に被災した人のコメントを出し、説明している」と言う。

 市によると、第三者委は43項目の論点を一通り議論し、報告書をまとめる段階に入った。ただ、次回の日程は未定。市長選に立候補しなかった鈴木康友市長は30日に任期満了を迎える。第三者委の結論を誘導しないように事務局の市は、報告書のたたき台を作成しない方針。委員がこれから報告書を作成するため、鈴木市長の任期中に完成するのは困難な状況だ。

 天竜区の崩れた盛り土は、市が国の通知に基づいて点検した計233カ所の盛り土に入っていなかった。さらに、市の廃棄物を担当する職員と、県土採取条例を担当する職員は、それぞれ別々に現地を訪れたが、互いの情報を共有していなかったことも明らかになっている。【山田英之】

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