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2023.04.28

LGBT法案「事実に基づき議論を」 当事者ら、G7前の成立求める

 LGBTQなど性的少数者への理解増進を目的とする議員立法「LGBT理解増進法案」を巡り、自民党の特命委員会が開かれた28日、当事者団体の全国組織「LGBT法連合会」などが東京都内で記者会見を開いた。特命委で保守系議員から事実誤認に基づく意見が相次いだとみられることについて、同連合会の神谷悠一事務局長は「事実に基づいた議論をしてほしい」と注文を付け、改めて法案の早期成立を訴えた。

 自民党の特命委の正式名称は「性的マイノリティに関する特命委員会」(高階恵美子委員長)。記者会見は同党内で理解増進法案に関する議論が本格化したことを受けて開かれ、5月19日から広島で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)前の法案成立を改めて求めた。同連合会の西山朗事務局長代理は「政治だけが変わらないことに当事者から憤りの声が多く上がっている。全ての人が安心して過ごせるように、差別や暴力から保護される法整備を強く求めたい」と強調した。

 複数の出席者によると、28日の非公開の特命委では、保守系議員が出席し、トランスジェンダーについて話を持ち出して法案に反対する意見を述べたという。例えば、出生時の戸籍の性別が男性で性自認が女性の「トランスジェンダー女性」によって、トイレの使用などを巡り女性が不安を感じる、といった意見だ。こうした意見はインターネット上でも広がって問題となっているが、有識者らからは「トランスジェンダーという属性と性犯罪を結びつけるべきではない」「心が女性と言えばトランスジェンダーになるわけではない」などと指摘されている。神谷氏は「冷静に事実に基づいて議論してほしい」と訴えた。【藤沢美由紀】

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