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2023.05.01

さかなクンと海洋学習 児童にハイブリッド魚「カイジ」など紹介

 千葉県館山市在住の魚類学者のさかなクンによる海洋環境問題を考えるシンポジウムが同市で開かれ、地元の小学生たちが聴き入った。

 さかなクンを中心に水辺の保全活動に取り組んでいる社団法人「SD BlueEarth・青い地球を育む会」(東京都港区)の主催。海辺の交流施設「渚の駅たてやま」に市立西岬小学校の4~6年生の児童21人を招き、異なる種をかけ合わせてつくるハイブリッド魚をテーマに、さかなクンと東京海洋大水圏生殖工学研究所の森田哲朗准教授がトークを繰り広げた。

 森田准教授は日本近海に約4000種の魚がいる一方、十分な数の稚魚を確保して養殖できる魚種は限られていると説明した。繁殖力の強いハイブリッド魚を開発すれば養殖の幅が広がるとして、生息数が少なく味の良さで知られるアジ科のカイワリとマアジを掛け合わせた「カイジ」の量産を目指していることなどを紹介した。さかなクンは「(ハイブリッド魚の誕生が)特定種の魚を捕り過ぎないことにつながっていくわけですね」と結んだ。

 シンポジウムを聞いた6年生の早川海樹さん(11)は「ハイブリッド魚のことを詳しく教わり、そんなことができるのかと驚いた。学校の海洋学習で調べたクサフグでハイブリッド魚が作れたらいいなと思った」と話した。【岩崎信道】

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