2023.05.08
兵庫・伊丹の洪水 護岸解除の堤防に水 流れ調整の土のう越え決壊か
8日午前0時50分ごろ、兵庫県伊丹市荒牧6を流れる天神川(2級河川)の東側堤防が約30メートルにわたって決壊し、周辺の約3ヘクタールが浸水した。県や市によると、午後3時現在、住宅1棟が床上浸水、11棟が床下浸水した。また、土砂が住宅地に流れ込み、車数台が埋まる被害も出ている。けが人の情報はないという。
河川を管理する県によると、天神川は周囲の土地より川床が高い「天井川」。現場では2022年3月から堤防の補強工事を実施中で、約15メートルの川幅を土のうで半分程度に区切り、西側に水を通していた。決壊した東側ではコンクリート製の護岸を外していた。大雨の影響で土のうを越えて東側に水が押し寄せ、岸が崩壊したとみられるという。
気象庁が降雨量などを基に推定したところ、天神川では決壊直前の8日午前0時半に、毎秒29トンの水が流れていたと考えられ、家庭の風呂(200リットル)145杯分に当たる。
市は同日未明、少なくとも828世帯の2088人に避難指示を出し、午前5時に解除した。
決壊場所近くの50代男性の自宅は床下浸水し、収納庫に水がたまった状態だという。男性は「水位ばかり気になって、眠れなかった。決壊場所で工事をしているが、雨が降るのをわかっていて適切な処置ができていたのだろうか」と話した。【宮本翔平、亀田早苗、安藤いく子】
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