ソーシャルアクションラボ

2023.05.10

「LGBTQの家族守る法整備を」 岸田首相への手紙500通を提出

 LGBTQなど性的少数者の親を持つ子どもらが岸田文雄首相に宛てて書いた約500通の手紙が10日、内閣官房の担当者を通じて提出された。手紙を書いた子の親らは東京都内で記者会見を開き、「法律がないために家族を守れないのは理不尽だ。切実な思いを受け止めてほしい」と、同性婚の法制化やLGBT関連法の成立を訴えた。

 手紙の執筆を呼びかけたのは、子育てをする性的少数者らでつくる団体「にじいろかぞく」。岸田首相が2月の衆院予算委員会で、同性婚の法制化について「社会が変わってしまう」と発言したことをきっかけに、「#岸田総理に手紙を書こう!プロジェクト」として参加を募ったところ、同性カップルを親に持つ子どもたちや賛同者らから「ぜひ同性婚を実現させてください」「(親が)同性でも子どもは幸せに育ちます」などとつづられた手紙が集まった。

 会見に出席した団体メンバー、大槻弘美さんは、同性のパートナーとともに小学6年生の長男を育てている。学校や学童保育などでは保護者を「父母」と想定しているため、母親2人で育てていることの説明などを繰り返さなくてはならず、「個人の工夫で打開しなければならないことがとても多い」という。

 大槻さんの長男も自ら岸田首相宛てに手紙を書いた。「(長男は)大人や国会議員は正しいことをして応えてくれると信じている。メッセージを受け取った大人は一日も早く行動に移してほしい」と話した。【藤沢美由紀】

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