ソーシャルアクションラボ

2023.06.02

運休、欠航、通行止め…大雨で交通機関混乱 急きょホテル予約も

 西日本から東日本の太平洋側で降り続いた大雨によって、東海道新幹線が東京―新大阪間の全線で運転を見合わせるなど交通機関に乱れが生じ、多くの人の足に影響が出た。

 2日夕、JR東京駅は新幹線の運転再開を待つ人たちでごった返した。乗車券の払戻窓口の前には長蛇の列ができ、床に座り込む利用客の姿もあった。

 高校時代の同級生と浅草などを観光して静岡市の実家に帰る予定だった会社員の山岡愛佳さん(22)は「大雨が降るので早めに帰ろうと思い、午後2時過ぎに東京駅に来たが、お土産を買っていたら新幹線が止まってしまった」と疲れた表情で話した。東京に出張で来ていた名古屋市の卸売業、前田吉徳さん(66)は午後5時半の新幹線を予約していたが、「運転再開まで相当な時間がかかる見込みです」というアナウンスを聞き、急きょ都内のホテルを予約。「明日の予定はキャンセルします」と苦笑いを浮かべた。

 神奈川県などによると、同県綾瀬市で2日午後、バスを待っていた70代女性が風にあおられて転倒し、右肘を打撲した。また、和歌山県紀美野町、紀の川市でいずれも高齢の女性と男性がそれぞれ川に流されたとの情報があるほか、同県新宮市では避難所に向かっていた女性(85)が転倒し、骨折した疑いがあるという。

 高知県黒潮町では2日午前、土佐くろしお鉄道の列車(1両編成)が線路上に流入した土砂に乗り上げて脱線した。乗客はおらず、運転士ら2人にもけがはなかった。JR東日本では青梅線の一部区間と京葉線などで運転を見合わせた。

 高速道路にも影響があった。日本道路交通情報センターなどによると、2日午後7時現在、東京湾アクアラインや新東名高速道路で通行止めが発生。中央道では道路沿いの崖が崩れて土砂が車線をふさぐなどしたため、伊那インターチェンジ(IC)―中津川IC間の上り線や、伊那IC―飯田山本IC間の下り線が通行止めとなった。

 空の便では、日本航空で九州などを発着する117便が欠航して約9000人に影響が出た。全日空でも75便が欠航して約6000人に影響があった。【秋丸生帆、遠藤浩二、黒川晋史、岡正勝】

関連記事