2023.06.08
同性婚訴訟 名古屋の原告「悲しく、悔しい」 法制化加速に期待
同性婚を認めない現行制度は憲法24条2項に違反する状態だとした8日の福岡地裁判決について、名古屋訴訟の原告の一人、鷹見彰一さん(30代、仮名)は「内容を見ると悲しく、悔しい気持ちです」と受け止めた。
ただ、全国5地裁で起こされた同種訴訟のうち、4地裁が「違憲」または「違憲状態」としたことには「『このままではダメ』という司法判断を下したのは事実」と評価し、国会での法制化に向けた議論が加速することを望んだ。
法的に家族と認められない同性カップルらが病院で面会を認められないケースもある。鷹見さんは「今日明日、パートナーとの死別が迫っていて不安を抱えている人もいる。自分のジェンダーや性的指向を認識して不安になっている人もいる」とし、待ったなしの対応が求められていると改めて訴えた。
同様に、もう一人の原告の大野利政さん(30代、仮名)も「最低限の違憲状態が出たことは救いだが、なぜ同性間の結婚はここまでかたくなに認められないのか」と判決に疑問を投げかけた。
国に対しても「勝訴したからと放置してよい状況ではない。(同性同士の結婚は)『想定されていない』から『想定しなくてはいけない』段階になっている。真摯(しんし)に早急に検討することを切に願う」とした。
5月30日の名古屋地裁判決は「法の下の平等」を定めた憲法14条に加え、個人の尊厳に基づいた家族法の制定を定めた24条2項にも違反しているとし、違憲性に強く踏み込んだ司法判断を示した。【田中理知】
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