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2023.06.19

同性婚訴訟、福岡地裁の原告側も控訴 「違憲状態」判決に不服

 同性同士の結婚を認めていない現行制度は憲法に反するとして、同性カップルが国に損害賠償を求めた訴訟で、原告側は19日、現行制度を「違憲状態」とした上で請求を棄却した8日の福岡地裁判決を不服として、福岡高裁に控訴した。2019年に全国5地裁で起こされた同種訴訟は福岡地裁で1審判決が出そろい、札幌と名古屋が「違憲」、東京と福岡が「違憲状態」、大阪が「合憲」と判断が割れた。全て原告側が控訴しており、高裁での判断が注目される。

 福岡地裁の原告側弁護団は19日に福岡市で記者会見し、「同性婚の法制化について国側で全く議論が進んでいない」などと控訴理由を挙げた。福岡地裁判決は、同性カップルが婚姻制度を利用できない状況について、個人の尊厳に立脚した法整備を求める憲法24条2項に違反する状態と判断する一方、どのような制度で同性婚を認めるかはさらに議論が必要として立法府の裁量権を認め、直ちに違憲とはしなかった。【志村一也】

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