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2023.06.21

ヨーロッパ、世界の2倍のペースで温暖化 国連機関など報告書

 欧州は1980年代以降、世界平均の2倍のペースで温暖化が進んでいるとする報告書を国連の世界気象機関(WMO)と欧州連合(EU)がまとめた。2022年の欧州の平均気温は、産業革命前の水準を2・3度上回った。

 WMOの発表によると、欧州西部と南西部で昨夏は記録的な暑さとなり、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国などでは観測史上最も暖かい年になった。熱波の影響で域内の死者数が例年の水準を上回る「超過死亡」数は、1万6000人に上った。また、気象災害による域内の経済被害は20億ドル(約2800億円)に達し、大部分を洪水や豪雨などが占めた。また広範囲で干ばつが続き、山火事による焼失面積は過去2番目だった。

 一方、域内の再生可能エネルギー(太陽光・風力)による発電量が初めて化石燃料による発電量を上回ったことも報告された。

 地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は、産業革命前と比べた地球の平均気温の上昇幅を1・5度に抑えることを目標にしている。【ニューヨーク八田浩輔】

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