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2023.06.24

「栃木ファンになって」G7男女共同参画担当相会合、日光で開幕

 主要7カ国(G7)男女共同参画・女性活躍担当相会合が24日、栃木県日光市で開幕した。初日は参加国の代表ら約40人を福田富一知事と同市の粉川昭一市長が県立日光自然博物館と中禅寺湖に案内し、日光の魅力を参加国関係者にアピール。地元は歓迎ムードに包まれた。

 午後2時過ぎ、同博物館で地元の市立中宮祠小中学校の児童、生徒10人が各国の国旗を手に迎えると、到着した各国の代表らは手を振って応じた。福田知事は「国際観光地である日光の豊かな自然や優れた歴史、文化を知ってもらい、栃木県のファンになってもらえたらありがたい」とあいさつした。

 館内のホールではセレモニーが行われ、宇都宮短大と同大付属高の音楽科の学生らが県ゆかりの詩人、野口雨情が作詞した「シャボン玉」や「証城寺の狸囃子(ばやし)」などをフルートや琴で演奏し、参加者からは拍手が送られた。

 一行はその後、館内を見学し、最新のデジタル技術を活用した映像で日光の自然や歴史を紹介するコーナーなどを見て回った。同行した福田知事によると、参加者は明治時代に別荘を奥日光に構えた英外交官アーネスト・サトウと日光のつながりを解説した映像に特に関心を示していたという。

 中禅寺湖では遊覧船に乗り込み、船上から男体山や各国大使館別荘を眺め、湖畔にいる人に手を振ったり、記念撮影をしたりして、楽しむ様子が見られた。案内を終えた粉川市長は「奥日光の自然のすばらしさを伝えることができた。皆さんが再び日光を訪れてくれることを期待している」と手応えを感じた様子だった。

迎え入れ側は全員男性

 県によると、この日参加した国の代表団のトップは全員が女性だった。一方、迎え入れた日本側は知事や市長、同博物館館長も全員が男性で、福田知事は報道陣を前に「次回G7の会合が日本である時までには、この現状、この構図が変わっていく時代を迎えたいという思いだ」と述べた。

 地元も歓迎ムードに包まれている。会場近くで飲食店を営む金田登喜さん(81)は各国の代表に見てもらおうと店先に花の植木鉢を並べた。「国際会議が開かれるなんて地元民としてとても光栄。ニュースを見た世界の人たちが遊びに来てくれたらうれしい」と期待を込めた。

 2日目の25日は「ザ・リッツ・カールトン日光」で各国閣僚級が出席し、女性の社会進出などについて議論が行われる。【池田一生】

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