ソーシャルアクションラボ

2023.07.02

九州豪雨から3年、被災地で追悼式 復興はなお道半ば

 熊本など九州5県で死者・行方不明者81人(災害関連死含む)を出した2020年7月の九州豪雨から4日で3年となる。大きな被害が出た熊本県人吉市と八代市では2日、追悼式が開かれ、両市の会場に遺族ら計約60人が参列して犠牲者を悼んだ。

 九州豪雨では熊本県南部の球磨川などで氾濫が相次いだ。堤防や道路の復旧が進む一方、被災者の生活再建は道半ばだ。住家4610棟が全半壊した同県では5月末現在、6市町村で1154人が仮設住宅(賃貸型のみなし仮設住宅を含む)での仮住まいを続ける。

 約450カ所が被災したJR肥薩線は、全線の約7割に当たる八代(八代市)―吉松(鹿児島県湧水町)間86・8キロが不通のままとなっている。約235億円の復旧費の負担などを巡り国や熊本県、JR九州、沿線自治体の協議が続く。

 治水対策では、国は球磨川支流の川辺川に流水型ダムの建設を目指す。県は一度は建設反対の立場を取ったが、豪雨後の20年11月に一転して容認を表明。27年度の本体工事着手、35年度の完成を見込む。

 蒲島郁夫知事は人吉市の式典で「災害の記録と記憶を風化させることなく、継承していく責務がある」と述べた。【西貴晴、山口桂子】

関連記事