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2023.07.05

「つらさ、だんだんと…」 九州北部豪雨から6年、被災地で黙とう

 福岡、大分両県で42人の死者・行方不明者を出した2017年の九州北部豪雨から5日で6年となった。甚大な被害が出た福岡県朝倉市と東峰村では遺族や住民らが黙とうし、犠牲者をしのんだ。

 3人が亡くなった東峰村は交流施設「ほうしゅ楽舎」で追悼式を開き、遺族や村議、村職員ら15人が参列。午前10時にサイレンを鳴らして黙とうした。真田秀樹村長は「復旧・復興は一歩ずつ進んでいる。自分の身は自分で守る取り組みとともに、安全安心な村づくりを進めたい」と述べた。

 自宅が押し流され、妻みな子さん(当時66歳)を亡くした熊谷武夫さん(78)は「もう七回忌か。6年は早かったと感じる。家に帰ればご飯があるということもないし、電気もついていないと、一人のつらさがだんだん出てくる。あの時、すぐに避難してくれていればなあと思う」と語った。

 当時村長だった渋谷博昭さん(73)は「毎年この時期になると豪雨災害が思い出され、今年は無事にと願う。若い人たちが中心となって復興に頑張ってくれていることはよかった」と話した。

 朝倉市では33人が死亡し、2人の行方が分かっていない。市は午前10時、サイレンを鳴らして市民に黙とうを呼び掛けた。林裕二市長は「悲劇が二度と繰り返されないよう国、県とともに最大限に努力してきた。九州北部豪雨を風化させず、災害に強い安全・安心のまちづくりを進め、防災の大切さを伝えていきたい」とコメントした。【桑原省爾】

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