ソーシャルアクションラボ

2023.07.06

広島、岡山、愛媛の83人が「災害関連死」に認定 西日本豪雨5年

 平成最悪の水害となった2018年の西日本豪雨は、6日で発生から5年を迎えた。毎日新聞の調べでは近畿以西の13府県で304人が死亡、8人が行方不明で、広島、岡山、愛媛の3県では83人が避難生活やストレスによる病気の発症、悪化などで亡くなった「災害関連死」に認定された。一方、仮設住宅など一時的な住宅で暮らす「仮住まい」の人は、広島、岡山両県で今年に解消されてゼロになった。

 西日本豪雨では土砂災害や洪水で、18年7月6日から7日にかけて最も大きな被害が出た。広島県では死者152人のうち、これまでに43人が関連死に認定されている。呉市の80代女性は自宅が浸水して救急搬送され、18年中に不整脈による脳塞栓(そくせん)症で亡くなり、4年後の22年8月に関連死とされた。

 岡山県は死者95人のうち34人、愛媛県は死者33人のうち6人が関連死だった。内閣府によると、高齢者が心疾患や脳血管障害など循環器系の疾患で亡くなるケースが多い。

 今も普段の生活に戻れていない人もいる。愛媛県宇和島市と西予市では、自治体が民間賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設」に住む人が、6月末時点で6世帯17人いる。

 一方、広島県では坂町の仮設住宅で暮らしていた1世帯2人が今年2月に退去し、ゼロになった。岡山県でも6月末時点でみなし仮設に4世帯10人が生活していたが、転居先が確保できたため、7月5日までに全員が退去した。【鶴見泰寿、堤浩一郎、露木陽介】

関連記事