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2023.07.15

秋田に1カ月分の大雨 土砂崩れでけが人、河川氾濫で浸水被害

 東北地方に停滞した前線や暖かく湿った空気の影響で、秋田県では15日、記録的な大雨に見舞われた。秋田市では住宅が土砂崩れに巻き込まれ、4人が軽傷。河川の氾濫が相次ぎ、15日午後10時現在、秋田市など6市町村の一部で、5段階の警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」(レベル5)が発令された。大雨は16日にかけて続く見込みで、気象庁は厳重な警戒を呼びかけている。

 秋田消防署によると、15日午前10時50分ごろ、秋田市添川の住宅4軒が土砂崩れに巻き込まれた。そのうち1軒にいた4人が軽傷だった。県によると、午後1時現在、秋田市の中心部を流れる太平川や能代市の桧山川など5河川が氾濫し、浸水被害が起きている。秋田県は、秋田市など15市町村への災害救助法の適用を決定した。

 気象庁によると、15日午後10時時点の24時間降水量は最大で、秋田市仁別320・5ミリ▽藤里町269ミリ▽男鹿市244ミリ▽仙北市角館231・5ミリ▽秋田市中心部186ミリ――などで、県内8カ所で観測史上1位を更新した。7月1カ月の平年降水量は約160~300ミリで、わずか1日で1カ月分の雨が降った。

 JR東日本によると、秋田新幹線は区間運休含め上下線38本が運休し、約7390人に影響した。16日と17日は、秋田―盛岡間で始発から終日運転を見合わせる予定だ。空の便も一部で影響が出た。日本航空によると、秋田空港を離着陸する2便が欠航した。

 前線は16日にかけて東北北部に停滞する見込みで、16日午後6時までに予想される24時間降水量は東北北部120ミリ、東北南部100ミリ。【井上知大、安藤いく子】

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