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2023.07.16

「レッカー150台待ち」相次いだ車両水没 JAF「動かさないで」

 活発な梅雨前線の影響で14日夜から記録的大雨となった秋田県内。16日までに計12河川が氾濫するなど被害が広がり、住民からは不安の声があがった。

 記録的な大雨に見舞われた秋田市中心部などでは多くの車が浸水、水没した。車が使えなければ日常生活はもちろん、自宅などの復旧作業も滞りかねない。ただ、車は水が引けばすぐに使えるわけではない。日本自動車連盟(JAF)などは、故障や感電の恐れがあるとしてむやみに動かさないよう呼びかけている。

 JAFはホームページで浸水した車両について「バッテリーが接続されている限り常に電流が流れている状態のため、電気系統の漏電で火災が発生する可能性がある」と指摘。電流が流れないようにする専門的な措置が必要だとして、JAFや自動車販売店などに相談するよう呼びかける。

 今回は多数の車両が浸水に遭ったとみられ、対応にも時間がかかりそうだ。「レッカーを頼んだら150台待ちと言われた。どうしたらよいか」。秋田市の自動車ディーラーには車両が浸水した顧客から相談があった。担当者によると15日夕方以降、同様の相談が20件以上寄せられた。

 秋田市仁井田地区で美容室を営む50代女性は15、16日に複数台の車が周囲で立ち往生するのを目にした。「(立ち往生の危険があるため)もう車では移動できない。この町は孤立状態です」と疲れ切った様子だ。

 自動車ディーラーの担当者は「代車として手配できる車両も少なく、対応しきれない」と漏らす。「無理に動かさずに修理に回し、直らなければ廃車にするしかないだろう」【高橋由衣、宮城裕也、釣田祐喜】

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