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2023.07.16

秋田大雨、1人死亡 12河川氾濫 鉄道運休、再開めど立たず

 記録的な大雨に見舞われた秋田県では16日、各地で河川の氾濫や浸水による被害が相次いだ。五城目町(ごじょうめまち)では男性1人が亡くなった。交通機関や医療機関への影響も明らかに。秋田市などを流れる1級河川の雄物川(おものがわ)は氾濫する危険性が高い状態が続いた。

 県によると、16日までに秋田市中心部を流れる太平川など12河川で氾濫が発生した。県警によると16日午前8時ごろ、五城目町の水田で、八郎潟町(はちろうがたまち)の60代男性が水没した車の中から発見され、死亡が確認された。近くの馬場目川(ばばめがわ)が15日に氾濫し、この日夜「冠水しているところに車が入ってしまった。水没しそうだ」と男性の110番があった。

 男鹿市と八峰町(はっぽうちょう)では地滑りで水道管が破損し、県の災害派遣要請を受けた自衛隊が給水支援に当たった。

 秋田市中心部にある中通総合病院は16日、浸水により救急を含む全ての診療を中止した。患者約30人を他の医療機関に搬送するため自衛隊が支援した。17日も休診し、18日以降は受け入れ態勢を縮小する。市内の秋田大医学部付属病院は15日夜から16日夜にかけ、救急搬送の受け入れを休止した。

 JR東日本秋田支社によると、15日から秋田―盛岡駅間で運転を見合わせていた秋田新幹線は、車両センターが避難指示の対象地域に含まれるなどして設備点検を開始できず、運転再開のめどはたっていない。在来線も多くの区間で運転を見合わせている。

 国土交通省によると、雄物川では16日午後7時現在、複数の観測地点で氾濫危険水位を超えている。雨が収まった後も水位がほぼ下がらない観測地点もある。

 気象庁によると、14日の降り始めからの総雨量は16日午後6時時点で秋田市仁別(にべつ)415・5ミリ▽藤里町327・5ミリ▽仙北市角館324・5ミリ。秋田市と八峰町、藤里町の4地点で16日未明までの24時間降水量が観測史上最高を更新した。秋田県では18~19日に警報級の大雨となる恐れがあり、気象庁は土砂災害や河川の増水への警戒を引き続き呼びかけている。【宮城裕也、高橋由衣、斎藤文太郎】

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