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2023.07.28

果樹が土砂に埋もれ…「フルーツの街」、人手不足で大雨復旧難航

 北部九州を襲った10日の記録的な大雨で、土石流に見舞われた福岡県久留米市田主丸(たぬしまる)町は、「フルーツの街」として知られる。柿やブドウなどの果樹園にも大量の土砂が流れ込んだが、人手不足で復旧が進んでいない。

 災害ボランティアの活動をするNPO法人「日本九援隊」(大野城市)の肥後孝理事長によると、大雨の影響で山の斜面が崩れて土砂が流入し、数百本の柿の木の根元が埋まったままになっていた。

 青い柿は8月下旬以降に収穫しようとしていたが、今回の大雨によって根元には土砂で深さ約30センチが埋まった所もある。このままでは、実が熟す前に木が枯れてしまうおそれがあるという。

 日本九援隊は23日、柿農園からの要請で支援に入った。気温30度を超える真夏日の中、ボランティア約30人がスコップで土砂をかきだした。農園を一人で手入れしている70代女性は「感謝しかない」と喜んだ。

 今回の被災地では、久留米市社会福祉協議会を通じてボランティアが活動しているが、個人の自宅の再建が目的で、農地は支援の対象外だ。途方にくれていた柿農園の女性は九援隊に助けを求めたという。九援隊には周辺のブドウ農家などからも要請がある。

 九援隊は2011年の東日本大震災をきっかけに発足し、ボランティアのため被災地にバスを運行してきた。久留米市田主丸町にはこれまでバスを3回運行し、小学生から高齢者まで計約200人が民家や農園などで活動した。30日には4回目の活動のためバスを運行するが、運行1回に約10万円かかり、資金が底をつきかけているという。

 肥後さんは「ボランティアは災害発生から1カ月たつと激減する傾向があるが、支援を待つ人はまだたくさんいる。1人でも多くの人に協力してほしい」とボランティアへの参加や募金への協力を呼びかけている。

 30日は午前8時、JR大野城駅東口ロータリー前集合。現地で約3時間半活動し、午後2時に同駅に戻る。定員55人でバス代は無料。参加には事前の申し込みが必要。問い合わせは肥後さん(080・3901・6183)。【足立旬子】

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