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2023.07.28

「過去12万年で例ない」暑い1カ月に グテレス氏「地球沸騰時代」

 世界気象機関(WMO)と欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は27日、今年7月は観測史上最も暑い月になる可能性が極めて高いと発表した。国連のグテレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」として、再生可能エネルギー導入目標の引き上げなど、対策強化を呼びかけた。

 C3Sによると、7月1~23日の世界の平均気温は16・95度で、これまで最も暑い月だった2019年7月1カ月間の平均(16・63度)を上回った。独ライプチヒ大の分析によると、過去12万年間で例のないような暑い1カ月になる見込みという。

 1日平均でも従来の最高気温(16年8月13日の16・8度)を超える日が相次ぎ、6日は17・08度と観測史上最も暑い日になった。また、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は、気温上昇を産業革命前から1・5度に抑えることを目指しているが、7月前半は一時的に1・5度を上回ったという。C3Sは、こうした高温は温室効果ガス排出が主因となって世界の気温が極端な上昇傾向にある一端だとしている。

 7月は北米、アジア、ヨーロッパの広い範囲で熱波が発生し、各地で記録的な高温が観測されている。

 中国新疆ウイグル自治区トルファン市では16日、同国観測史上最高の52・2度を記録。カナダやギリシャでは熱波に起因する山火事が発生し、被害が拡大している。東京大大気海洋研究所の今田由紀子准教授は「猛暑に関しては、もう温暖化の影響を疑う余地がない」と指摘する。【垂水友里香】

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