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2023.07.31

気温差57度の熱い質疑 滋賀と南極をつないで昭和基地ツアー

 全国の子どもらが1万4000キロ離れた南極越冬隊員とオンラインでつながる「南極・昭和基地ツアー」が29日あり、近畿で唯一の会場となった滋賀県東近江市横溝町の「西堀栄三郎記念探検の殿堂」に小中学生25人が集まった。同市は最高気温36度の猛暑日だったが、氷点下21度の真冬の昭和基地の隊員と、気温差57度の熱い質疑が交わされた。

 国立極地研究所(極地研)の主催。コロナ下で始まり、今回は3回目。北海道立オホーツク流氷科学センターや名古屋海洋博物館南極観測船ふじ、愛媛県総合科学博物館など全国9カ所と昭和基地がつながった。

 子どもらは、極地研から届けられた南極の氷を触ったり水に漬けたりして、気泡となって入っている南極の大気を観察。その後、越冬隊員に全国から質問が飛んだ。「地球温暖化で南極の氷は解けていますか」との質問に、「毎年109ギガトン、琵琶湖4個分の氷が解けています」と回答があると、東近江の会場から「オーッ」と声が上がった。

 隊員になった理由を質問した同市立聖徳中1年の西郷光真さん(13)は「『雪や氷が身近にある環境で育ったのでその不思議を知りたかった』と答えてもらい納得した。命がけの仕事で、すごい」と話していた。【藤田文亮】

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