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2023.08.03

昆虫で育てた鯛、食卓へ 魚粉価格高騰に対応、養殖費寄付の返礼品に

 養殖魚の飼料となる魚粉の価格高騰などに対応するため、愛媛県内の水産加工販売業者が、昆虫で育てたマダイ「えひめ鯛(だい)」の養殖費などを調達するクラウドファンディング(CF)を始めた。えひめ鯛は愛媛大学と企業が産学連携で研究開発した新しい養殖鯛で、今回の寄付金の返礼品としても提供する。愛媛大は「一般の人に味わってもらうのは今回が初めて。今後も改良を進め、市場の流通量を増やしたい」と話している。

 えひめ鯛は2022年7月から、愛媛県宇和島市内で養殖の実証実験に取り組んでいる。飼料に含まれる魚粉の量を減らすため、甲虫の一種「ミールワーム」を入れた飼料で約8000匹を養殖。23年3月に初出荷され、大学や企業の食堂などに限定して提供されてきた。味は通常の養殖マダイと変わらないという。

 天然魚から作られる魚粉の使用量を減らそうとする背景には近年、環境の変化や過剰漁獲などで価格が高騰し、安定的な入手が困難になっている事情がある。魚粉は養殖魚の成長に欠かせないたんぱく源で、飼料として広く活用されてきた。そこで、愛媛大などは魚粉の代替として昆虫を活用することを思いついた。長年の研究を重ね、農産物の残さをエサにし、環境にやさしいなどの点からミールワームを選び、飼料中の魚粉を削減することに成功したという。

 CFは連携企業の一つ「秀長水産」(宇和島市)が実施。23年度は約1万3000匹を養殖する計画で、寄付金は更に鯛や飼料の質を向上させるための研究開発費に充てる。目標額は200万円で、寄付額は3000円~100万円。1万2000円の寄付で、えひめ鯛1匹がもらえる。寄付はCFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」の専用ページで、9月30日まで受け付ける。【広瀬晃子】

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