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2023.08.09

アマゾンの森林破壊、連携し対処へ 南米8カ国首脳が宣言採択

 南米ブラジルの北部パラ州の州都ベレンで8日、熱帯雨林アマゾンを抱える8カ国で構成する「アマゾン協力条約機構(ACTO)」の首脳会議が開かれた。森林破壊に対して各国が連携して対処することなどを盛り込んだ「ベレン宣言」を同日採択し、先進国にも協力を求めた。

 アマゾンでは1970年代以降、道路建設や農地開発などで熱帯雨林の破壊が進行。近年も違法な森林伐採などで森の面積が減少している。ACTOは、アマゾンの保全と持続可能な開発を目的としている。

 宣言では、違法行為の根絶を目指してブラジル北部アマゾナス州に各国警察の協力機関を設立し、熱帯雨林の現状などを調べる科学研究機関を作ると明記。また先進国に対し大規模な財政支援を求めた。主催したブラジルのルラ大統領は演説で「森は我々を一つにする」と強調した。会議にはボリビア、コロンビア、ペルー、エクアドル、ガイアナ、スリナム、ベネズエラの首脳らも参加した。

 ベレンでは9日にも、ACTOの加盟国に熱帯雨林があるインドネシア、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、コンゴ共和国などの関係者も加わった拡大会議が開催される。【サンパウロ中村聡也】

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