2023.08.16
台風7号 鳥取市で1600人が孤立 複数の土砂崩れ、橋も崩落
15日に近畿地方を縦断した台風7号で大雨特別警報が発表された鳥取市では、国道や県道沿いで複数の土砂崩れが発生し、市によると佐治町全域の735世帯、1597人が孤立状態となっている。町内から119番通報が寄せられたが救急車がたどり着けず、途中から救急隊員が徒歩で向かった事案もあった。
佐治町では佐治川にかかる橋2本が崩落。多くの家庭で断水が発生し、170戸で停電が続いている。同町福園の70代女性は「家の前の道が通行止めになり、生活拠点の市の中心部まで行けない。雨がここまでひどくなるとは思っていなかったので日持ちする食糧は買っていなかった」と不安を口にした。町総合支所の男性職員も「住民の食糧が心配。今回の台風でまさかここまでの被害が出るとは思わなかった」と話した。
鳥取県によると、県内での負傷者は確認されていないが、16日午前8時現在、鳥取市河原町でも約340戸が停電している。倉吉市と三朝町では床上浸水4軒、床下浸水16軒の被害が出た。三朝町では76人が孤立している。また京都府福知山市でも土砂崩れで道路が塞がれ、27世帯51人が一時、孤立状態となっている。
気象庁は15日深夜、鳥取市に発表していた特別警報を解除した。台風7号は16日午前、日本海を北上中で、17日にかけて東北から北海道の日本海側に影響を与える恐れがある。台風に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、16日午前中には東海地方で猛烈な雨が降った。
JR東海によると、16日午前8時半ごろ、東海道新幹線の三島―静岡駅間の上下線で運転を見合わせた。静岡県富士市に設置されている雨量計が規制値に達したため。この影響は他区間のダイヤにも及び、午前11時20分現在、東海道・山陽新幹線は上り線の博多―東京駅間、下り線の東京―名古屋駅間と新大阪―博多駅間で、それぞれ運転を見合わせている。
またJR西日本によると、台風7号で影響を受けた設備の確認や車両の準備に時間がかかるとして、北陸方面の「サンダーバード」や南紀方面の「くろしお」など特急列車の一部で運転を見合わせた。【松原隼斗、松室花実、小坂春乃】
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