2023.08.20
「私たちは忘れない」追悼の紙灯籠 77人犠牲の広島土砂災害9年
77人が亡くなった広島土砂災害は20日、発生から9年になった。大きな被害に見舞われた広島市安佐南区の八木地区では土石流が相次いだ未明の発生時刻に合わせ、住民らが「8・20」の形に並べた約310個の紙灯籠(とうろう)に灯をともし、犠牲者をしのんだ。
紙灯籠には「私たちは忘れません」「安全な町になってほしい」などというメッセージが記されていた。
新婚夫婦だった湯浅康弘さん(当時29歳)とみなみさん(同28歳)を失った両親らも慰霊碑を訪れ、手を合わせた。みなみさんのおなかには数カ月後に生まれる予定だった孫もいた。
みなみさんの父、若松順二さん(60)=香川県東かがわ市=は「9年たっても会いたいという気持ちは変わらない」と話した。慰霊碑にはお酒やジュースが供えられた。
慰霊碑前ではこの日午前、地元自治会が主催する献花式も開かれた。遺族や松井一実・広島市長、斉藤鉄夫国土交通相ら約40人が参列した。
土砂災害は2014年8月20日未明、線状降水帯の発生に伴う集中豪雨により広島市安佐北区と安佐南区で多発した。土石流に巻き込まれるなどして災害関連死を含む77人が犠牲になった。【安徳祐、武市智菜実】
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