2023.08.20
広島土砂災害9年 「被災経験伝えたい」市内に伝承館が9月開館
広島土砂災害から9年の月日がたつ中、当時の記憶や教訓をどのように語り継いでいくのか。広島市は9月1日、「豪雨災害伝承館」を同市安佐南区の八木地区に開館する。被災者たちの証言や土石流の怖さを伝える映像を上映し、県内外から研修や視察を積極的に受け入れる方針だ。
伝承館は地区の高台に整備された公園内に建てられ、地上2階建て(延べ床面積約500平方メートル)。2階の展示エリアで発生当時の土砂災害をCG(コンピューターグラフィックス)で再現した動画のほか、被災者たちが当時の被害や避難生活の実態を振り返る証言映像を流す。利用客は無料で見学することができる。
1階には防災学習を実施する研修室を設け、最大120人を収容できる。AED(自動体外式除細動器)の使用方法をはじめ、100種類の講座を予約制で受講できる。非常時に座面を外して炊き出しに使用できる「かまどベンチ」による炊き出し訓練も体験でき、子どもが親しみやすい講座も用意した。
市によると、各地の学校などから約20件の研修や視察の予約が既に入っているという。
自身も自宅が全壊した被災経験を持つ高岡正文館長(72)は「被災者としての経験を伝え、災害から生き延びるすべ、生き残った後にすべきことを学んでもらう施設にしたい」と語った。【安徳祐】
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