ソーシャルアクションラボ

2023.08.24

生活用水、備蓄している人は4割未満 災害時、最も困るのに

 災害に遭ったときに最も困るのは「生活用水」なのに、備蓄している人は4割未満――。関東大震災から9月1日で100年を迎えるのを前に、パナソニックホームズ(大阪府豊中市)が住まいに関する防災意識について調査したところ、被災経験者の教訓と実際の防災対策との間に大きなギャップがあることが分かった。

 調査は7月、全国の20~69歳の男女計550人を対象にインターネットで実施した。調査結果によると、災害発生時に自宅にとどまる「在宅避難」をしようと考えている人は全体の67・3%に上った。在宅避難を考えている人のうち、想定する災害を「断水」と答えた人は74・1%で、「停電」(83・8%)に次ぎ多かった。

 ところが、どのような防災対策をとっているかを聞いたところ、「飲料水のみを備蓄」は46・4%、飲料水に加えてトイレや風呂、洗濯などに使う生活用水の「両方を備蓄」は38・3%にとどまり、いずれも断水を想定した人の割合を下回った。「備蓄していない」は15・3%だった。

 一方、実際に被災した経験がある人を対象に、実際の被災時に困ったこと(複数回答)を尋ねたところ、「生活用水の不足」を挙げた人が36・8%と最多で、「飲料水の不足」が22・4%で2番目に多かった。その他では、暑さ寒さ対策不足(21・2%)▽食料品の不足(18・8%)▽スマートフォンや携帯電話の充電切れ(18・4%)――の順で多かった。

 調査結果から災害への備えが万全とは言えない実態が浮かんだ形で、同社は「災害時にも自宅で安心して暮らし続ける対策が求められている」と呼びかけている。【井口彩】

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