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2023.09.09

台風13号 千葉、茨城、福島で3人死亡 浸水1500棟に

 台風13号は本州上陸前の8日夜に熱帯低気圧に変わったものの、各地で大雨による被害を出した。線状降水帯が発生した千葉、茨城、福島県で計3人が死亡し、床上・床下浸水などの住宅被害は合わせて約1500棟に上る。茨城県日立市では災害対策拠点となる市庁舎が被害を受けた。

 福島県いわき市内郷内町では9日午前6時15分ごろ、70~80代とみられる男性が側溝で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。県の集計(9日正午現在)によると、建物1棟が全壊し、床上浸水は1058棟、床下浸水は145棟に及んだ。いわき市内の被害が大半を占めるという。同市では国宝の白水阿弥陀堂でも浸水被害があった。

 8日午後2時35分ごろには千葉県大多喜町の警察関連施設で、警察庁関東管区警察局千葉県情報通信部機動通信課係長の神山智志さん(49)が意識のない状態で倒れているのが見つかり、搬送先で死亡した。県警勝浦署によると、同僚と2人で台風による施設の被害を確認中、高さ約5メートルの屋上から転落したとみられる。9日午後4時現在の県のまとめでは、住宅被害は一部損壊が12棟、床上・床下浸水は213棟に上る。

 茨城県では北茨城市中郷町日棚の塩田川で9日午前10時ごろ、20代男性が心肺停止状態で見つかり、搬送先で死亡が確認された。県災害対策本部などによると、8日夜に近くにある冠水した田んぼで水没した車が見つかり、県警が付近を捜索していた。同市では8日、観測史上最大の1時間77・5ミリの激しい雨が降った。同県内では9日午後6時現在、民家72棟の床上・床下浸水が確認されている。【岩間理紀、浅見茂晴、森永亨】

日立市役所、9日夕まで停電続く

 茨城県日立市役所は、西側を流れる数沢川の氾濫で本庁舎地下の受電設備と非常用発電機が浸水し、9日午後4時半ごろまで停電が続いた。

 市は8日午後6時半ごろの浸水開始後、急きょ、災害対策本部を本庁舎から約400メートル離れた市消防本部に移動。9日も職員らが駐車場や地下室にたまった泥のかき出しや設備の清掃に追われた。

 市役所は2011年の東日本大震災で旧庁舎が被災し、17年に新築されたばかり。小川春樹市長は9日、「市民からの通報も多数あったが応じきれなかった。災害に強いということで新設した本庁舎で停電となったのは想定外の出来事だ」と反省した。【森永亨】

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