2023.09.13
台風13号被害のいわき、人手不足深刻 県外ボランティア募集開始
熱帯低気圧に変わった台風13号に伴う豪雨で大きな被害が出た福島県いわき市の災害ボランティアセンターが開設3日目となる13日、新たに県外からの参加も受け付けを始めた。住宅の浸水被害は判明分だけで約1300世帯。12日時点で約250件近いボランティアの派遣依頼が上がっているが、人手不足は深刻だ。16~18日の3連休などに多くの参加を呼びかける。
ボランティアの作業は、浸水した家具の運び出しや処分する家財の袋詰め、泥出しなど。参加希望者は事前に登録フォームに必要項目を入力する。活動は午前9時半~午後3時半で、市内の受付場所には午前9時~正午に集合。最新情報は市のホームページや市社会福祉協議会(市社協)のフェイスブックで確認できる。
市社協はフェイスブックで「住民の皆さんが一日でも早く安心した生活に戻れるよう、ぜひ皆さまのお力を貸してください」と訴えている。
福島県いわき市の災害ボランティアセンター開設2日目となる12日は、115人が参加した。被害の大きかった内郷内町の住宅街にある木造2階建てには、市内外から集まった10人以上がボランティア派遣されたが、片付け作業は終わらなかった。
片付け中の被災者、熱中症で搬送も
1人暮らしの女性(73)は浸水当時、亡夫の位牌(いはい)を抱いて2階に逃げ一夜を開かし、今は市内の親戚宅で寝泊まりする。浸水は床上70センチあったという。水の引いた薄暗い部屋は乾きかけの泥で汚れていた。
ボランティアは手分けしながら汚れた家具や棚を運び出し、台所の皿などを土のう袋に詰めた。泥水をずっしり含んだ畳の搬出は4人がかりでやっとの重さ。災害廃棄物の仮置き場となっている運動場での荷降ろしも手伝った。
街中の道路や塀に乾いた泥が堆積(たいせき)し、時折乾いた風が舞っていた。この日は最高気温が30度近く、別の家では片付け中の被災者の家族の60代男性が熱中症の疑いで搬送された。
「1日1000人参加があっていい規模の被害」
家主の女性は被災して数日は親族2人と片付けに当たったが、「まとまった人数がいないとどうにもならない」と親族が判断し、ボランティアを依頼したという。カーポートには夕方までに仮置き場に運びきれなかった家財や畳が積まれ、作業の多さを物語っていた。親族らが床板をはがした後は、床下の泥出し作業も手伝ってもらいたいという。家主の女性はボランティアに何度も「ありがとう」「ごめんなさいね」と感謝していた。
同センターの関係者は「本当なら1日1000人の参加があっていい規模の被害」とこぼす。13日は早速、東京や栃木からの参加があったという。【尾崎修二】
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