ソーシャルアクションラボ

2023.09.15

はじめての「保活」は、4キロ離れた家への引っ越しからはじまった|保活日記①

春の復職に向けて、次男(0歳)の保育園探しをしていると、数年前の長男のときのことを、よく思い出します。

子育ての右も左もわからない第一子。住んでいるのは千葉県市川市。どうも待機児童数(認可保育園に入れない子ども)が多い、保活(保育園探し)激戦区らしい――。

最終的には、幸いにも入れる保育園が見つかり職場復帰できましたが、保活中は不安と迷いでいっぱいでした。今回は、当時のことを振り返りたいと思います。

保活の第一歩は、妊娠中期だった2018年9月ごろ。

当時26歳で、身近に出産した友人も少なく(そもそも友人自体が少ないのですが・・・)、結婚してから住み始めた町なので土地勘もない。

「保育園落ちた日本死ね!」のブログが話題になってから2年ほど経ったころで、「保活は出産前から」「保活の前に駐活(通園のために駐輪場を確保する活動)」といった声をネットで見かけ、なにやらとても大変そうというイメージしかありませんでした。

まずは市のHPで情報収集から始めました。保育園関係のページにざっと目を通し、夏期休暇には夫と一緒に窓口に行って、職員さんにも相談しました。

この時期は制度について大まかに把握して、出産・入園申し込み・復職の見通しをなんとなく立てました。

・ 保育園には、都道府県知事の認可を受けている認可園と、認可を受けていない認可外がある
認可保育園の入園は、市区町村ごとに利用調整がある。子どもの保育のニーズが点数化され、点数の高い子から入園が決まる
・認可外の保育園には、個人で申し込みをする
・保育園以外にも、幼稚園やこども園に預けて働くこともできる

窓口では、自分たちの持ち点はいくらか▽自宅近くにどんな保育園があるか▽入園と申し込みの時期はいつか――といった我が家についての具体的な情報を聞くことができました。

漠然としたイメージしかない状態から、現実の制度を知ることで、ぼんやりした不安が和らぎました。

一方で、課題として浮き彫りになったのが、園へのアクセスの悪さ。自宅がお隣の船橋市との境目にあったため、市内の園は近いところから徒歩15分、20分、35分、といった具合で、あまり近くなく、件数も限られていました。近所で入園を検討していた園は、全て船橋市の施設。船橋市にも問い合わせたところ、市外在住者として申し込みをすることもできるけれど、減点があり入園できる望みは薄そうでした。(※2018年当時の情報です)


長男を出産したのが2019年1月。
産後に赤ちゃん用品があふれかえって手狭になったこともあり、6月ごろに同じ市内で保育園や子どもの遊び場が多いエリアに転居しました。地図上で確認すると、徒歩20分圏内に20件ほど保育園があります。他にも、すぐ行ける距離に公園が5,6カ所あり、飲食店でも「お子さま歓迎」をアピールしているところが多く、同じ市川市でたった4キロ引っ越しただけで、ここまで子育て環境に差があるのか、と驚きました

外を歩くと子連れのママ・パパがかなり多く、ちょっと大きいお兄さんお姉さんを見ては自分たちのちょっと先の未来を想像してわくわくしました。

引っ越しが落ち着いた7月から、本格的に園見学を始めました。転居で課題をクリアできたかと思いきや、実際にはこの7月から半年あまりが、保育園について一番悩んだ時期でした。(連載全8回)

市川保活日記

【書き手】石井遥。新聞社で、著作権関係の業務を担当している2児の母です。毎晩元気がありあまっている「恐竜」(2歳)に食べられそうになるため、睡眠不足。0歳のちぎりぱん(むちむちの腕)をさわり、癒やされながら、日々子育てしています。
暮らしている千葉県市川市でお気に入りの場所は、京成線の踏切。子どもが見たがるので踏切巡りをしていたら、いつのまにか自分もどっぷりはまってスカイライナーの通過を楽しみにしています
※連載は2021~2022年に執筆しました