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2023.09.21

大雨被災の農地復旧に協力を 福岡・久留米市、ボラセン開設へ

 福岡県久留米市の原口新五市長は20日記者会見し、7月の大雨で被災した農地を復旧するためのボランティアセンターを29日に開設すると発表した。市が中心となって農家から支援要請を聞き取り、ボランティア団体との調整にあたる。

 市によると、大雨による市内の農業被害は976・5ヘクタールに上る。特にフルーツ栽培が盛んな田主丸地区では土砂で柿やブドウの木が埋まるなどの被害が出ている。しかし、市社会福祉協議会(社協)が募るボランティアは支援目的が「生活再建」のため、農業など「なりわい」への支援は対象外となっていた。

 農地復旧ボランティアセンターは市と市社協、地元JA、ボランティア団体などでつくる協議会が運営し、久留米ふれあい農業公園(草野町)に開設する。果樹や植木の周囲の土砂撤去が主な活動内容で、県内のボランティア団体に協力を呼びかける。道具購入費など1600万円を盛り込んだ補正予算案を市議会定例会に提出した。

 発生2カ月半後の開設について、原口市長は「もう少し早くやりたかったが、あまりにも市内の被害が広範囲にわたり、大きかった。今からその遅れを取り戻す」と述べた。

 発生直後から農地復旧のボランティアを続けるNPO「日本九援隊」(大野城市)の肥後孝理事長は「今も40件もの支援要請があり、我々だけでは抱えきれず、協力できればありがたい」と話す。

 問い合わせは同市農業被害相談窓口(0942・64・9985)へ。【足立旬子】

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