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2023.09.27

高校生がメダカの目撃情報募る 絶滅の危険増大、保全へ 兵庫・朝来

 メダカの情報求む――。兵庫県立和田山高校(朝来市)の生徒が、但馬・丹後地域が起源とされる「キタノメダカ」の調査に協力するため、メダカの生息情報の提供を呼び掛けている。大学の研究チームと協力してDNAを調べるとともに、市内の分布状況を把握し、保全活動に役立てるという。

 国内には、日本海側に分布するキタノメダカと太平洋側などにすむミナミメダカの2種類がいるとされる。いずれも環境省のレッドリストで、絶滅の危険が増大している種の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。

 東京大大学院の尾田正二准教授と北里大の勝村啓史准教授による合同研究チームが2019年、キタノメダカの起源が但馬・丹後地域であることを突き止めた。詳しく特定するため、和田山高と市が協力し、円山川上流に生息するメダカを調べる。

 調査には、生物多様性などを学ぶ3年生9人が参加する。市民から情報を募り、メダカのサンプルを捕獲。研究チームが個体のDNA解析をし、進化や分散の過程を探る。自然豊かな市内でもメダカは減少しているといい、保全にもつなげたい考えだ。

 坂本煌我(こうが)さん(18)は「研究内容を聞いて、1種類の魚でもこれほど調べることがあるのかと驚いた。自分でも個体を見比べて、違いを見つけるなどして研究に貢献したい」と意気込む。

 野生のメダカが生息している場所や時期などの情報を募集。「地元住民だから知っていることもあるはず。多くの人に情報を寄せてほしい」と呼び掛けている。平日午前9時~午後4時、和田山高(079・672・3269)へ。【幸長由子】

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