ソーシャルアクションラボ

2023.10.03

育休中に、小さく働いてみて|保活日記⑦

4月に、次男が保育園に入園しました。

最初は1、2時間ほど預けることから始め、徐々に在園時間を延ばす「慣らし保育」を経て、5月から私も復職します。

2021年6月に出産し、9月から2022年4月まで「育児休業中の一時的・臨時的就労」として、ときどき・少しだけ仕事をしていました。

2019年に長男を出産したときには、初めての育児で右も左も分かりませんでした。育休中は「仕事」どころではなく、毎日育児に追われていました。

生まれたての長男をおそるおそる抱き上げたその日から、夜間授乳での細切れ睡眠という「修行」が始まりました。乳腺炎での39度越えの発熱など、未知のトラブルも頻発。

寝返りを始めたけれど自力で戻れない長男を1日中ひっくり返すミッション、裏ごしして丁寧にすりつぶして作った離乳食を皿ごと投げられて掃除するミッション、など新たな任務も次々と・・・。保育園の見学や予防接種のスケジュールも詰まっていました。

生後5~6か月の離乳食。おかゆをすりつぶしたもの。

「かわいい!」「やばい!」だけで、10カ月の産育休が終わりました。

育休中に育児しかできなかった、ではなく――。「育児」というプロジェクトの中に膨大にやることがあったのです。その膨大さは、子どもを産むまで分かりませんでした。

育児休業の10カ月間は、のんびり寝坊できる週末のような「休み」とは全く違います。それまで会社で仕事をしていた時間以上に、子どもと向き合いました。

でも、2人目のときは――。

長男は保育園に通っており、次男が寝ている日中の数時間は、パソコンで作業する時間を捻出できるようになりました。コロナ禍で外出しにくく、家で過ごす時間も増えました。

今回、次男の育休中には、会社の制度として始まっていた「育児休業中の一時的・臨時的就労」を利用し、月15~40時間ほど在宅勤務で働いています。所属部署での著作権関係の業務が中心です。(家事はもちろん・・・・・・放置です!)

育児休業中の就労についてwww.mhlw.go.jp

育児休業中の就労は、厚生労働省も示しているように一定の条件のもとで認められており、育児休業給付金も支給されます。

育休中に働くこと自体は、良いとも悪いとも言えないと思います。きっと、状況によります。私の場合は①長男は日中保育園で過ごし、次男はよく寝てくれるタイプの赤ちゃん②在宅勤務で、働く時間帯を自由に選べるフレックス勤務③夫も激務ではなく、子育てする時間をとれる・・・・・・という環境だったので、少しだけ働くことを選びました。

良かったことは大きく2つありました。

ひとつは、復職前後のギャップが減ったこと。長男のときは10カ月間、職場とのやりとりがほとんど無かったため、復職時には浦島太郎状態でした。担当業務に関していくつか変化があり、会社のシステムも一部新しくなっていました。また、かしこまって電話をうけたり見積書を作ったりする環境に、戸惑いました。先週まで赤ちゃんとバブバブ言いながらお粥を作っていたのに・・・!と、なかなか慣れませんでした。

今回は、職場の現状をある程度把握できているので、復職前の心理的な負担が減りました。職場でも「この業務は慣れているあなたに頼めてよかった!」と好意的に受け止めてもらっています。

また、コマロンに「原稿を書く」経験もできました。

自分で文章を書こうと試行錯誤すること。そして記者と一緒に文章を推敲すること。どちらも学びが多くありました。すぐに今の仕事に直結するスキルではないのですが、思考を整理し、伝わりやすいようにアウトプットする訓練にもなりました。どんな仕事にも、生きると思っています。

誰もが育休中に働くのが良い、とは思っていません。産後の体調や子どもの様子、経済的な事情・・・・・・。何ができるか、何をしたいかは、それぞれです。

仕事にあてていた時間を家事にあてれば、部屋はもっときれいで、手間をかけた食事を用意して、子どもとできる遊びも増えていたかもしれません。ただ、育休中に小さく働く、という選択肢から見えてくる新しい世界もありました。

市川保活日記 公開予定日

【書き手】石井遥。新聞社で、著作権関係の業務を担当している2児の母です。毎晩元気がありあまっている「恐竜」(3歳)に食べられそうになるため、睡眠不足。0歳のちぎりぱん(むちむちの腕)をさわり、癒やされながら、日々子育てしています。
暮らしている千葉県市川市でお気に入りの場所は、京成線の踏切。子どもが見たがるので踏切巡りをしていたら、いつのまにか自分もどっぷりはまってスカイライナーの通過を楽しみにしています。
※連載は、2021~2022年に執筆しました。

JR も地下鉄も、全部大好きです!