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2023.11.02

千葉・ダウン症の親子グループが特別賞 手話ダンスの全国大会

 千葉県内のダウン症の子どもたちとその家族が集まるグループ「ジュピター」が、9月に兵庫県福崎町で開かれた手話ダンスの全国大会「第1回手話ダンス甲子園」で特別賞のダイバーシティー賞を受賞した。親子33人がそれぞれの思いを込めて歌詞の世界を表現し、評価を受けた。保護者らは「子どもたちの自信につながればうれしい」と喜んでいる。

 ジュピターは2007年に結成された。成田市内を拠点にダンスのけいこをし、茶話会を開いて交流を深めている。地域のイベントや夏祭り、音楽祭などにも参加する。

 大会には開催地と全国から予選を勝ち抜いた計12チームが出場した。ジュピターは黄色いシャツでそろえ、歌手のAIさんの「みんながみんな英雄」の曲に合わせて踊った。手話の他、両手を大きく振ってリズムを取り、「振り向けば」という歌詞に合わせて上体を後ろにひねるなどのパフォーマンスを披露した。曲の合間にはポンポンも振った。

 長男隆成さん(18)と一緒に出場した八街市の鈴木美和さん(51)は「自分なりに好きなように表現を決め、楽しく踊る姿が印象的だった」と振り返る。

 手話ダンスは手話、表情、ダンスのステップ、歌詞や音楽の世界観を表現するアートと定義され、ダンスパフォーマンスに加え、芸術性、多様性と共生度、伝達性を審査した。会場で結果が発表されると、子どもたちは跳び上がったり笑顔を見せたりして喜び、泣き出す親もいたという。鈴木さんは「子どもたちの自信や経験につながった。みんな仲良しで、これからもジュピターが居場所になったらいいと思う」と話している。【中村宰和】

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