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2023.11.06

「生理で追試」15道府県OK、11府県は対象外 公立高校受験

 生理で「追試」は認められるのか――。公立高校入試の受験日と月経(生理)が重なった女子生徒への対応について、毎日新聞が全都道府県にアンケートしたところ、約3割の15道府県が生理に伴う体調不良が追試の「対象になる」と回答した。一方で、約2割の11府県が「対象外」とし、約半数の自治体は明確に答えず、生理を巡る対応に差が生じている実態が浮かんだ。

 毎日新聞は2023年9月、全都道府県の教育委員会に対し、公立高校入試の「追試」の対象に、腹痛や頭痛、眠気など体調がすぐれない「月経困難症」や「月経前症候群」(PMS)が含まれるかどうかについて尋ねた。

 追試は病気や事故などで入試を受けられなくなった受験生に、別途実施される試験。文部科学省は23年6月に都道府県に出した通知で、新型コロナウイルスなどに感染した受験生が追試を受けられるよう配慮を求めたが、月経困難症などは対象にしなかった。

 受験の機会は公平・公正性が重視されるが、生理に伴う体調不良は女性特有の障壁で、重い症状の女子生徒が不利になりかねないと懸念されてきた。特に10代は生理周期が不安定とされる。

 アンケートでは、北海道▽青森▽秋田▽山形▽茨城▽新潟▽山梨▽岐阜▽愛知▽三重▽京都▽和歌山▽徳島▽佐賀▽長崎の15道府県が、生理に伴う体調不良が「追試の対象になる」と回答した。過去5年以内に追試を認めた事例を尋ねたところ、「ある」と答えたのは京都府だけだった。

 一方で、栃木▽群馬▽千葉▽長野▽大阪▽兵庫▽岡山▽広島▽大分▽宮崎▽沖縄の11府県は「追試の対象にならない」と答えた。

 残る21都県は「個々の状況で判断する」(熊本)、「病名(診断名)を参考にする」(高知)などと回答し、明確な基準はなかった。

 ジェンダーや性教育に詳しい小貫大輔・東海大学教授は「生理に関する問題意識が近年の社会で醸成されつつある中、追試を全く認めない自治体も議論を深めていくべきだ。現状では生理の症状が重い女子生徒の大部分が、体調不良を申し出ると試験が受けられなくなるかもしれないと心配して、我慢しているとみられる。声を上げられない生徒がいる可能性を見過ごしてはいけない」と指摘した。【田中裕之、宮川佐知子】

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