2023.11.07
受験日に生理が重なってしまったら…「不安」8割超 民間調査
受験日に生理が重なったら「不安」。民間企業の調査で、回答した女性の8割以上が訴えた。文部科学省によると、中学生の高校などへの進学率は98・8%(2022年3月)で約半数は女子生徒だが、生理と受験に特化した国の調査は実施されてない。民間調査から見えてくる課題は――。
受験と生理をテーマに調査
調査は、女性の健康情報サービス「ルナルナ」が21年、10代以上の女性3155人を対象に実施した。
42・8%の女性が実際に受験日と生理が重なった、もしくは重なりそうになったことがあると回答。さらに「ある」と回答した人のうち、85・1%が何らかの不安を抱えていた。
具体的には、複数回答で多い順に「生理痛や体調不良への不安」▽「トイレに行く回数の頻度」▽「試験中に経血が漏れないか」▽「実力が出し切れるか」――と続いた。自由記述では、「試験中に急に腹痛がひどくなり、トイレに駆け込んだら予定日でないのに生理が来ていた」「生理2日目くらいまで睡魔がすごい」などと具体的な声も寄せられた。
毎日新聞調査「体調不良は追試対象か?」
政府の公表する「女性版骨太の方針2023」では、学校での健康教育の充実や保健調査票の活用で、生理に伴う症状など女子児童・生徒の健康状態を把握し、保健指導を実施するよう掲げる。
「ルナルナ」の担当者は、「婦人科受診やピル(経口避妊薬)服用について学校で教えてほしいといった声もあり、正しい知識を学べる場が必要だと感じました」と調査を振り返り、「大切な受験で最大限に力を発揮するためには、普段から生理や体調を把握、管理することが大切です」と呼び掛けた。
生理と受験を巡っては、毎日新聞が23年9月に公立高校入試の受験日と月経(生理)が重なった女子生徒への対応について全都道府県にアンケートしたところ、15道府県が生理に伴う体調不良が追試の「対象になる」と回答した。一方で、約半数の自治体が明確に答えず、生理を巡る対応に差が生じている実態が明らかになった。【菅野蘭】
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